クラシックギターとは?歴史や弦の特徴、初心者におすすめの機種と名曲を解説

優しく温かみのある音色で、世界中の人々を魅了し続ける「クラシックギター」
アコースティックギター(フォークギター)やエレキギターと比べると、しっとりとした落ち着きがあり、大人の趣味としても非常に人気の高い楽器です。

今回は、そんなクラシックギターの奥深い歴史から、特有の音色を生み出す弦の秘密、一度は弾いてみたい名曲、そして初心者におすすめの楽器選びまでを詳しく解説します。

目次

クラシックギターの歴史と起源

クラシックギターの歴史は非常に古く、そのルーツには諸説ありますが、はるか昔のロマンに満ちています。

古代エジプトからヨーロッパ、そしてスペインへ

ギターの祖先は、古代エジプト時代に存在した「ネッフェル」や「ウード(オード)」と呼ばれる弦楽器だという説が有力です。シルクロードや十字軍の遠征などを経てヨーロッパへと伝わり、1400年頃にはリュートなどに似た多弦の楽器へと発展していきました。

その後、1800年頃になると、現在のギターに近い「6弦」のスタイルがヨーロッパ全土で広く普及し始めます。

「現代ギターの父」アントニオ・デ・トーレスの功績

クラシックギターの歴史を語る上で欠かせないのが、19世紀のスペインのギター製作家であるアントニオ・デ・トーレス(Antonio de Torres)です。

彼は、それまで小ぶりで音量の小さかったギターのボディを大きくし、内部に「扇状力木(おうぎじょうちからぎ)」と呼ばれる骨組みを配置することで、豊かな音量と美しい響きを両立させる「現代のクラシックギター」の完成形を作り上げました。

彼の影響を受けた職人たちがその製法を広め、同時に素晴らしい演奏家や作曲家が次々と誕生したことで、スペインは「ギターの母国」として確固たる地位を築くことになったのです。

「小さなオーケストラ」と呼ばれる独奏の魅力

クラシックギター最大の魅力は、メロディー(旋律)と伴奏(和音やベース音)を、たった一人で同時に弾きこなせることです。

右手の指(親指から薬指までの4〜5本)を独立して動かし、複数の弦を弾き分けることで、まるでピアノのように立体的な音楽を奏でることができます。その豊かな表現力から、ベートーヴェンはギターのことを「小さなオーケストラ」と称賛したと言われています。もちろん、2人以上で息を合わせて合奏(アンサンブル)するのも、ソロとは違った重厚感がありとても素敵です。

羊の腸から進化した「ナイロン弦」

クラシックギター特有の「ポロロン」という柔らかく甘い音色は、張られている弦の材質によるものです。
現在は「ナイロン弦」が主流ですが、化学繊維が発明される前の時代は「ガット弦」と呼ばれる、羊や牛などの動物の腸(主に羊の腸)をねじり合わせて作った原始的な弦が使用されていました。

ガット弦は非常に美しい音が鳴る反面、湿度や気温の変化に弱く、すぐに切れたり音程が狂ったりしてしまうのが弱点でした。しかし、第二次世界大戦後にナイロン弦が開発されたことで、湿度変化への強さ、耐久性、音程の安定感、そして十分な音量を兼ね備えるようになり、瞬く間に世界中のギタリストに普及していきました。

一度は弾いてみたい!クラシックギターの不朽の名曲

クラシックギターには、その魅力を最大限に引き出すために作られた素晴らしい名曲が数多く存在します。ここでは、特に有名な4曲をピックアップしてご紹介します。

  • タレガ作曲:「アルハンブラ宮殿の思い出」
    クラシックギターといえばこの曲。「トレモロ奏法」という、同じ音を小刻みに弾き続けるテクニックを使い、まるで水面が揺らめくような美しさと哀愁を表現した最高傑作です。
  • 映画音楽より:「禁じられた遊び(愛のロマンス)」
    誰もが一度は耳にしたことがある切ないメロディー。前半部分は初心者でも比較的弾きやすいため、ギターを始めたら「まずはこの曲を弾きたい!」と目標にする人が多い定番曲です。
  • アルベニス作曲:「入江のざわめき(マラゲーニャ)」
    もともとはピアノのために書かれた曲ですが、スペインの情熱的なアンダルシア地方の民族音楽(フラメンコなど)の要素が色濃く、ギターでの演奏が非常に映える名曲です。
  • ダウランド作曲:「涙のパヴァーヌ」
    ルネサンス期を代表するイギリスの作曲家ダウランドによる、リュートのための楽曲。深く静かな悲しみを帯びたメロディーが、現代のクラシックギターでも愛奏され続けています。

初心者におすすめのクラシックギター機種(選び方)

これからレッスンを始めようと考えている初心者の方にとって、最初の1本目の楽器選びはとても重要です。
ネット通販などでは1万円前後から販売されている非常に安いギターもありますが、チューニング(音程)が合いにくかったり、ネックが反りやすくて弾きにくかったりと、上達の妨げになってしまうケースが少なくありません。

長く楽しくレッスンを続けるためにも、「2万円以上」の価格帯で、信頼できる有名メーカー(ヤマハなど)の機種をおすすめいたします。

教室でもおすすめ!ヤマハ(YAMAHA)のCGシリーズ

作りが丁寧で音程も良く、初心者が弾きやすいように設計されている定番モデルです。

  • ヤマハ CG102:お手頃価格でありながら、クラシックギターの基本をしっかり押さえた入門の決定版。
  • ヤマハ CG122(MC/MS):表板に単板(一枚板)を使用しており、弾き込むほどに音の鳴りが良くなるモデル。つや消し塗装も渋くて人気です。
  • ヤマハ CG142(C/S):より豊かな響きと艶のある音色が楽しめる、ワンランク上のスタンダードモデル。

まとめ:クラシックギターと他のギターの違い

最後に、よく混同されがちなアコースティックギター(フォークギター)やエレキギターとの違いをまとめました。

  • 弦の材質: 鉄弦(スチール弦)ではなく、柔らかい「ナイロン弦」を張る。
  • ネックの太さ: 複雑な運指(指の動き)がしやすいよう、フレット(左手で押さえる板面)が平らで、幅が広く大きめに作られている。
  • 弾き方: ピックは使わず、右手は親指から薬指(小指)までの指弾き(フィンガーピッキング)が基本。
  • ボディ: アコースティックギターと比べて少し小ぶりですが、厚み(ふくらみ)があるのが特徴。
  • サウンド: アンプなどの電気を使わず、楽器そのものの空洞で響かせる純粋な生音(アコースティック)が基本。

クラシックギターは、優しく弾けば囁くように、強く弾けば情熱的に鳴ってくれる、とても表情豊かな楽器です。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度その美しい生音に触れてみてくださいね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次